暑い国から来たサボテンは暑さに強いけど寒いのは苦手。冬はサボテンが枯れてしまう、なんて思っていませんか?
実は、サボテンの自生地は昼夜の寒暖差が大きく夜間は0度近くまで気温が下がる場所が多いんです。そんな中で生きて来たサボテンは上手く管理してあげると初心者でも問題なく冬を越す事ができます。
ただし!冬には冬の管理方法と注意点があります。
それでは、サボテンの冬の管理方法をマスターできるよう詳しく紹介していきましょう。
サボテンの冬の管理方法
サボテンの冬の管理は難しいことはありません。植物を育てる時の基本と同じです。
- ・温度管理
- ・お水の管理
- ・日光の管理
この3つさえきちんとするだけで良いんです。では、1つずつ解説していきますね。
温度管理
冬のサボテンの管理は、「気温5度」を目安に行動します。5度を下回るような日は、屋内(室内)または温室など寒さをしのげる場所に避難させてあげましょう。
5度を下回ってくると、土の中の水分が凍ってしまい根っこがダメージを受け、根腐れの原因になってしまいます。
それに霜が降りたり雪が降ったりすると、サボテンにとって過酷な状況になるからです。
お水の管理
サボテンは体に水分を蓄え、ある程度なら乾燥に耐えられるようになっています。 気温の下がる冬場はあえて水やりをギリギリまで控えましょう。
この時期のサボテンは休眠しているので、あまりお水を必要としないんです。
目安として、月に1回程度、土が乾いたら少しだけ水を与えるくらいで大丈夫です。 お水の量も「成長するためにたっぷり」ではなく「生きるため、最低限の量」くらいで十分です。
日光の管理
サボテンにとってこの時期の日光浴はとても大切です。冬の日照時間は短く、曇りの日も多いですが、可能な限り日光浴をさせるようにしましょう。
純粋に日向の方が暖かいという理由もありますが、もう1つとても大切な事があります。
冬の休眠期明けのサボテンは育成期と比べてシワシワっと萎んでいたりします、それだけ過酷なんですね。
この時期のサボテンは成長を止めて寒さと戦い、次の生育期に備え力を蓄えている時期でもあります。
休眠期にたくさん日光を浴びておくと、春の生育期にグングン成長しより丈夫なサボテンに育ってくれますよ。
冬はサボテンの休眠期?
「休眠期」という言葉を聞いたことはありますか?サボテンには「生育期」と「休眠期」の2つがあります。これを繰り返して大きくなっていくんです。
- 「生育期」は春と秋、成長する時期のことを言います
- 「休眠期」は真夏と冬、休眠する・成長を止め休む時期のことを言います
※夏場は冬の休眠ほど成長を止めることはないので「半休眠期」と呼ばれることもあります。
気温の下がる冬場はちょうど「休眠期」にあたります。
もちろん、全く成長をしていないわけではありませんが、目に見えて育つことはありません。
むしろ、最低限の水のみで生きている為、生育期に比べて少しだけ萎んだようになることもあります。
ですが、休眠期といえど、ただ眠っているだけではなく次に来る生育期に向けて力を蓄え準備をしている状態です。だからこの時期にきちんとした管理をしてあげることがサボテンを育てていく上で重要になってきます。
しっかりと休眠期を過ごしたサボテンは、春の生育期では綺麗な棘、青々とした瑞々しいボディ、しっかりとした強い根っこを生やしてくれます。
そして丈夫に育ったサボテンは次の冬をまた越えて成長していきます。
冬のサボテンへの水やり方法
サボテン以外の植物も同じですが、冬の水やりには注意が必要です。ここでは冬のサボテンの水やりのコツと方法を解説していきます。
・気温5度を目安に行動する
・与える量・与え方・タイミングに気を付ける
この2つをマスターすれば、冬のサボテンの水やりはクリアです。それでは1つずつ解説していきましょう。
気温が5度を目安に水やりの判断をしましょう。
気温が5度以上の地域の場合
月に1回程度、土が乾いたら少しだけお水を上げましょう。できれば、土の中も乾いている状態がお水を上げるベストなタイミングです。
竹串などで土を刺して、引き上げた串に湿った土がついていなければOKです。この時、根っこを傷つけないように注意しましょう。
気温が5度を下回る地域の場合
思い切って「断水」しましょう。基本的にサボテンは体内に水分を蓄えることが出来るので休眠しているこの時期は断水しても大丈夫です。
春~秋のように「たっぷり」とあげてはダメ
休眠期で成長を止めているサボテンに、たっぷりとお水をあげてしまうと使い切れなかった水分が土の中に溜まり、根腐れを起こし枯れてしまいます。
冬にサボテンが枯れる多くの理由は「お水のあげすぎ」なんです。冬のサボテンの水やりはたっぷりとではなく少しだけ、または断水しましょう。
ポイントとしてお水をあげるときは「日中の暖かい時間帯」にあげると良いですよ。
何故なら、気温の下がる夜間などに与えると土の中の温度が下がり根っこがダメージを受けてしまうんです。また、冷たすぎるお水はそれだけで弱い根っこにはダメージになってしまいます。
冬のサボテンの置き場所
冬のサボテンの栽培には「日光浴」が大切ですが1つだけ注意することがあります。
それは「置き場所」です。
室内の場合
日差しが入る場所というと、室内の場合は「窓際」ですよね。日中の窓際は日差しが入り暖かいですが、夜になって外の気温が下がると一気に冷えてきます。せっかく冷えないように室内に入れていてもこれでは意味がありません。
日中は窓際でたっぷり日差しを浴びた後、気温の下がる夜間は窓際から離れたところに置くようにしましょう。
屋外の場合
日当たりの良いところに置いていると思いますが、屋外の場合は雨や雪・霜に注意が必要です。雨や雪で濡れた後、そのまま気温が下がると、土の中の水分が凍って根っこが腐ってしまいます。
できるだけ雨や雪・霜の当たらない、屋根のあるところに置いてあげましょう。
冬のサボテンの手入れ
冬のサボテンは「休眠期」に入り、休んでいる状態なので特別なお手入れは必要ありません。この時期にの植え替えや肥料の追加などもNGです。
特に、株分けや根切り、胴切りといったサボテンに傷をつけ大きな負担のかかるようなことはしないようにしましょう。この時期のサボテンは成長を止めているので傷の再生が出来ない、もしくは少しずつしかで出来ないからです。
肥料に関しても、この時期はあげてもあまり吸い上げなかったりするので、春の育成期にあげるほうが肥料の効果を期待できます。
休眠期の冬場は過度なお世話はせず、たっぷりの日光浴と適度な水分が何よりのお手入れになります。
冬のサボテンを外で管理したい場合
大きいサボテンや、室内に土を持ち込みたくないなど、サボテンの屋外で管理したい場合もあるでしょう。
もちろん、サボテンを屋外で冬越しさせる事も可能なのでその方法を解説していきましょう。
水やりに注意
屋外に置いているからと、沢山お水をあげてはいけません。 お水は土が乾いてから月に1回程度、少しだけで大丈夫です。
また、お水をあげるときは昼間の暖かい時間帯にあげるようにしましょう。
気温に注意
5度を下回るような状態が続くとサボテンにとって辛い環境になるので、一時的に屋内や温室があれば移動させてあげる方が良いです。
また、気温が低くなると発生する「霜」にも注意が必要です。霜は「降りる」と言います。そう、霜は空気中の水分が凍って「降りてくる」んです。夜間~朝方にかけては、屋根のあるところか、温室などに避難させてあげる方が良いでしょう。
ここで、簡単&すぐできる裏技を1つ紹介します。
いかがでしたか?
サボテンの冬の管理は難しいと思われていますが、意外にシンプルでしょう?
- 温度管理:5度を下回るなら屋内や温室など寒さをしのげる場所に移動する
- お水の管理:土が乾いたら月に1回程度で少しだけ(5度を下回るなら断水も)
- 日光の管理:たっぷりと。ただし夜の窓際からは離す
- 胴切り、根切り、株分けなどサボテンに負担を掛けることはしない
あとは、屋外での管理なら霜などに注意してあげること。
冬のサボテンは暖かい春の生育期に備えて寒さと戦っています。この時期は過度なお世話はせず、そっと見守ってあげて下さい。きっと春には、元気にスクスク育ってくれますよ。