お盆を迎えた初日に玄関先で迎え火を炊きます。
都心ではあまり見かけませんが、田舎ではどこの家でも13日の夕方から玄関先でオガラに火をつけ迎え火を炊きます。
この光景は夏の風物詩とも言えますが、どのような意味があるのかしっていますか?
日本人なら知らないと恥ずかしい、「お盆に迎え火」の意味を紹介します。
1. お盆の迎え火ってどんな意味があるの?
毎年お盆の初日に玄関先で焚く「迎え火」。
当たり前のように行っている方もいらっしゃるかと思いますが、どんな意味が込められているか知っていますか?
迎え火は年に一度ご先祖様があの世から家族と一緒に過ごすために、迷わずに帰ってこられるようにと願いを込めて灯す火のことです。
ご先祖様はその火を目印に帰ってきます。
2. 迎え火のやり方
実際に迎え火はどのように焚いたらいいのか、紹介します。
お盆が始まる13日の昼間に自宅に精霊棚やお供え物、仏壇飾りをすまし、お墓参りに行きます。
お墓の掃除をして、お墓の前で迎え火を炊き、その残り火を提灯に移して自宅に持ち帰り、その火を夕方自宅玄関先で行う迎え火の火種にします。
迎え火で燃やすものはオガラや麦藁を束ねたものを燃やします。
地域や宗派によってやり方は違いますが、大体はこのような方法で迎え火を焚きます。
また現代であれば、マンションに住んでいて迎え火が焚けない、お墓が遠すぎて迎え火の火種をもって帰れないなどの問題もあります。
そのようなときは提灯で迎え火の代用にしたり、お墓での迎え火はせず自宅玄関先での迎え火のみを行うという事もあります。
3. 迎え火を「またぐ」って?
お盆の迎え火を「またぐ」風習がある地域もあります。
「跨ぐ」ってなんだか行儀が悪いような感じもしますが、これにもしっかりと意味があります。
迎え火をまたぐことで、病気から身を守ることができると無病息災を祈願する意味があります。
やり方は玄関先で焚いている迎え火を玄関側から外へ向かって三回飛び越えます。
これが一般的な作法のようです。
この「またぐ」といった作法ですが、送り火の時だけ行ったり、まったく行わない地域や宗派もあります。
ですので、自分の住んでいる地域や宗派をしっかりと確認してから行いましょう。
4. ご先祖様を迎えましょう
ご先祖様が返ってくるのは、年に一度お盆に時期だけです。
古来より日本人はお盆を迎えた初日の夕方に迎え火を焚いてご先祖様の霊をお迎えしていました。
現代では住宅環境の変化等で、マンションや住宅が密集しているなどの問題で、迎え火を焚けない家もあります。
しかし、迎え火が焚けなくても一年に一回お盆はやってきます。ご先祖様は帰ってくるのです。
その時に何もしないのではなく、提灯で代用したり、電気式の迎え火もありますので、ぜひご先祖様を迎える準備をしましょう。
迎え火を焚ける人は、迎え火をしっかり焚いてご先祖様を迎えましょう。
私たちのルーツはご先祖様にあります。
ご先祖様がその時代を生き抜いたからこそ、いま私たちがこうして生きていられるのです。
そのご先祖様を迎え入れ、しっかりと手を合わせて感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
まとめ
1. 迎え火を焚いてご先祖様が迷わず帰ってこられるようにしましょう。
2. 迎え火の作法を確認しましょう。
3. 迎え火をまたぐことで、無病息災を祈願できます。
4. お盆だからこそ、ご先祖様に感謝しましょう。
迎え火をまたぐことで無病息災を祈願できるといわれています。
これも迎え火同様、古来より行われてきた作法ですので、私たちも次に世代に継承していかなければなりません。
それと同時に私たちにこの平和な時代を残してくれたご先祖様に感謝をしましょう。
灯した火は日本人の紡いできた歴史であり、ご先祖様を導く光であり、私たちが次の世代へ受け継いでいく伝統であるのです。