サボテンは漢字で表記されることがしばしばです。
人の名字で、同じ漢字でも難しい画数の漢字表記だったりするように、漢字は由来や意味などが込められていて、知ると楽しいものです。
サボテンの漢字の名前は、漢字自体のもつ意味と、読み方で表すことのできる意味とが重なりあい、魅力ある名前がとても美しいです。
それでは、よりサボテンの魅力を高めていきましょう。
サボテンの漢字の種類
実は、普段見るサボテンの漢字表記は、和名としてつけられたものです。まずは、どんな漢字表記のサボテンがあるのか、和名をみていきましょう。
姫牡丹
姫のような牡丹、そんなイメージで名前がつけられたのでしょうか。本当にその通りな、身自体が花のように美しいシルエットのサボテンです。
白翁玉
まるでおじいさんを思わせる名前ですが、本当に、白髪をまとったかのような姿をしているサボテンです。
柔らかくカールされ、白髪に見えてしまうのはちゃんとしたトゲです。
金鯱
金鯱というと、名古屋のシャチホコをイメージしてしまいがちですが、そのシャチホコと同じような、きらびやかな雰囲気のサボテンです。
ツンとしたトゲの金色とどっしりした雰囲気で、とてもふさわしい名前ですね。
連山
まるで連なった山のように重なるシルエットのサボテンです。別名ゴジラと呼ばれることもあり、中には恐竜の皮膚のような、シワのよった見た目のサボテンもいます。
鸞鳳玉
鸞や鳳のような華やかな鳥は、寺院などの装飾でよく見かけますが、白い斑点模様をしているなど、他のサボテンにはない華やかな魅力をもったサボテンです。
パッと見は、星形のような形をしているため、キラキラしているようにも見えてしまいますね。
竜頭
竜の頭のように、ゴツゴツした凹凸のあるシルエットのサボテンです。身はゴツゴツしていますが、キレイに列をなして並んだトゲは、まるで竜の背中を思わせます。
精巧殿
トゲひとつひとつから咲かせる花のひとつひとつまで、精密に巧みにつくられたような、繊細なシルエットのサボテンです。
実は、値段も精巧で高級なサボテンといえます。
海王丸
太陽系の惑星で、海王星がありますが、一番外枠を周りながらも存在感を示す海王星のように、シンプルなシルエットながら、星のようなトゲで魅力をアピールするサボテンです。
まるで、地球の周りにある星のようにも見えてしまいますね。
象牙丸
そんな海王丸にそっくりなサボテンがいます。
見分けることができれば、かなりのサボテン好きではないでしょうか。確かに、トゲは象牙のようにも見えますね。
白檀
白檀というと、香りのよい木を想像する人も多いと思います。
そんな香水が似合いそうな、しなやかなシルエットのサボテンです。花も比較的大ぶりで、まるでファッションを楽しんでいるようですね。
サボテンの品種を漢字で書く理由、由来、意味は?
ここまで、サボテンの和名をみてきましたが、なぜ漢字の和名がつけられるようになったのでしょうか?また、由来や意味についてもみてみましょう。
漢字で書く理由
正直なところ、サボテンが品種ごとに漢字の和名がつけられた理由は、はっきりとは分かっていません。
由来
かつての園芸家が心を込めて名付けたと思われる名前たちの、正式な由来を知ることはできませんが、「きっとこういう気持ちだったんだろうな」という想像を楽しむことができます。
例えば、恐怖閣という和名のサボテンがあるのですが、まるでしめ縄のように捻れたシルエットの大型サボテンで、個性的な存在感に恐怖感を覚えたのでしょうか。
このように、由来となりそうな背景を想像して楽しむと、サボテンへの興味がどんどんわいてくるはずです。
それぞれの名前に込められた意味
漢字の名前の意味は、ここまでもみてきたように、サボテンのシルエットや雰囲気などの見た目から表現されているようですね。
サボテンの魅力にどっぷりはまったかつての園芸家たちにしか分からない意味はあるのでしょうが、分かるのは、個々にぴったりの素敵な名前ということです。
覇王樹?仙人掌?正しいサボテンの漢字は?
品種ごとの和名の由来は分かっていませんが、「サボテン」という植物としての名前の由来ならいわれがあります。
「サボテン」は、漢字だと石鹸体や仙人掌、覇王樹などと表記されます。
覇王樹は言い伝えすら不明なようで、覇の王が関係しているのか?という想像程度で、名前だけが残っています。
そして、どちらが正しいサボテンの漢字表記なのかも分かっていません。
サボテンの名前においての頻出漢字「丸」と「玉」
サボテンの漢字の名前をみていると、誰もが気付くのは「丸」と「玉」のつく名前が多いことでしょうか。
どちらも丸いシルエットのサボテンにつけられているようですが、特に区別はなさそうです。
なんとなく、「玉」の名前のサボテンの方が、トゲの数が多いような気もしますが、そんな程度。
まるで、女性の名前の「子」や「美」のような使い方のようですね。
サボテンの名前は寺社仏閣に例えられる?
こちらもなんとなくではありますが、サボテンの名前は寺社仏閣に例えられ、表現されているような気がします。
金鯱や白檀などといった、寺社仏閣のモチーフであったり、恐怖閣のように「なんとか閣」と表現されたりと、歴史を感じるものが多いですね。
サボテンの名前の秘密に迫ってみましたが、興味は深まりましたか?
サボテンの名前に使用される漢字ひとつひとつに意味があり、歴史の背景が想像できたり、サボテンの雰囲気などの特徴がいっそう深まったりして、本当に知るほど楽しいですよね。
まるで子どものように愛着がわいて名付けられたサボテンを、心を込めて育ててみませんか。
名前が似た者同士コレクションするもよし、全く違う名前のサボテンを育てて比べてみるもよし、楽しさはまだまだたくさんありますよ。