先日、取引先の方との会食でイタリアンのコース料理を頂いてきたのですが、実は「コース料理を食べる」こと事態が初めてだったのでとても緊張してしまいました。
事前にコース料理を食べるときのマナーを調べてみたのですが、意外と堅苦しくなかったり、豆知識として知っていた事ばかりだったので、これからイタリアンのコース料理を初めて経験する方のためにまとめてみました。
イタリアン料理の格式(ランク)
イタリアン料理は最近では「イタメシ」と言われていたりして、とてもカジュアルでファミレス感覚なイメージを持っている人が多いと思います。
私も以前はそんなイメージを持っていたのですが、実際は違っていてレストランによっていろんなクラスがあるようです。
イタリアンレストランでもコース料理を出すレストランのランクとしては「トラットリア」「オステリア」「リストランテ」などがあります。
「トラットリア」とは「家庭的なレストラン」という意味合いがあって、カジュアルにイタリアン料理を楽しめるレストランで、カジュアルなレストランがこのクラスになります。
「オステリア」とはカジュアルな雰囲気で料理を楽しめたり豊富な種類のワインを味わうことが出来るレストランがこのクラスになります。
このクラスになると少々高価なレストランも多くあります。
「リストランテ」とは格式の高いレストランが主です。
基本的にはメニューとしてピッツァは提供していないことが多いです。
他にも大衆食堂のような雰囲気の「ダヴェルナ」やピッツァ専門店の「ピッツァリア」、パスタ専門店の「パスタリア」などのランクもあります。
イタリアン料理のコース
イタリアンのコース料理は、フランス料理のコース料理の品目と比べるとイタリアンのコース料理の方が品目が少ないようですが、その分パスタやリゾットなどお腹にたまる料理が多いようです。
フルコースは、アンティパスト、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、サラダ、フォルマッジュ、ドルチェの順番で料理が出されます。
コースの詳細としては、アンティパストとは前菜の事で色鮮やかなのが特徴的で、肉の赤色・チーズの黄色・野菜の緑色の三色で彩られていることがおおいようです。
プリモ・ピアットとは「一皿目」という意味合いがあるそうで、1つ目のメイン料理として主にパスタ類が出されます。
この時お腹にあまり余裕がないと思うときは、リゾットやスープ、ピザからも選べるのでスープなど軽いものを選ぶといいかもしれません。
セコンド・ピアットとは「二皿目」という意味合いがあるそうで、2つ目のメイン料理として魚料理か肉料理が出されます。
お腹に余裕があるときは、両方を出してもらうことも出来るので、両方出してもらってもいいでしょう。
次にサラダが出されます。
日本のタイミングとは違って、イタリアン料理のコースでは主食のあっとにサラダが出て、日本のサラダは生野菜にドレッシングをかけた物が多いですが、ここでのサラダは温野菜にオリーブオイルやバルサミコ酢をかけたサラダを指し、こうした温野菜のサラダを「コントルノ」と言うそうです。
フォルマッジュとはチーズの事で、レストランによってはコースに含まれていない事もありますが、お腹に余裕があるときは店員さんに相談して、運ばれてきたチーズの中から好きなチーズを選ぶことが出来ます。
ドルチェはデザートの事で、シャーベットやイタリアンジェラート、フルーツから選べます。
食後のコーヒーもこのときに出されます。
一般的にはデミタスカップでいただくエスプレッソが出されますが、レストランによってはメニューにカプチーノや紅茶があるところもあります。
食事中は、魚料理や肉料理に合わせたワインをたしなむことが出来ます。
最後のコーヒーはその酔いを覚ます作用や消化促進の作用もあるので、食後のコーヒーは苦いエスプレッソをおすすめします。
イタリアン料理でのマナー
「右手にナイフ、左手にフォーク」って事くらいで格式の高いレストランなんて行ったことが無いという方も多いのではないでしょうか。
私もマナーを必要とするようなレストランに行ったことがなく、基本的な事しか知りませんでした。
そこで、ナプキンやナイフ、フォークの使い方などのイタリアンレストランでのマナーをまとめてみました。
まずはナプキンですが、二つ折りにして膝の上に置きます。
口や手が汚れたときに使い、食事が終わったらテーブルの上にそのまま置きます。
日本人はきちんとたたむのが常識ですが、ここではきちんとたたまずそのまま置くことが料理を作った方への「おいしかったです」というメッセージになるからだそうです。
次にナイフとフォークの使い方ですが、席に着いたときにテーブルにナプキンとその左右にシルバーセットがセッティングされている場合は料理を出される順番と同じ順番に外側から使っていきます。
シルバーセットがセッティングされていない場合は料理を出される前にその料理に使用するセットをセッティングしてくれるので、そのセットを使います。
食事の途中で席を立つ場合はナイフとフォークを八の字にお皿の上に置きます。
食事が終わったらお皿の上に向きをそろえて右下に置きます。
その際フォークの向きは食事中なら下向きに、終わった後なら上向きに置きます。
ちなみに、スープの飲み方ですが、スプーンを使うときは、手前からでも奥からでもすくうことは意識しなくても大丈夫です。
意識するところはすくう仕草ではなく「スープは食べるもの」という意識をして、すすらずすくったスープを口に入れ味わう事がマナーです。
イタリアン料理の食べ方
日本人としては「ピッツァは手で食べたい」「リゾットはスプーンでしょう」など、食事によっては食べにくいと感じるかもしれませんね。
実際私も「これをこれで食べるの?」と驚きましたが、出された食器を使うのが基本的マナーです。
まずはパスタ類ですが、レストランによってはスプーンも出してくれる所もあるようですが、基本的にはフォークのみでいただきます。
口に入る程度の大きさになるように数本をフォークで巻いて食べますが、ペンネなどショートパスタの場合はフォークで刺してもかまいません。
ラザニアはナイフで切りフォークですくって食べます。
切るときは一口分ずつ切るのがマナーです。
リゾットはフォークですくって使って食べます。
ちょっと食べにくい感じがしまいますが、生米から炒めて作るリゾットは米を煮詰めて作る雑炊とは違い味わいが野菜のような感じなので、食べたことがない方にはおすすめです。
ピザは手ではなくナイフで切ってフォークで刺して食べます。
基本的には1カット分を小皿に移して一口分を切ってフォークで食べます。
次のカット分は先ほどカットしたところから反時計回りにカットしていきます。
パンは一口分ずつちぎって食べます。
バターを付けるようにオリーブオイルを付けて食べるとよりいっそうおいしいです。
まとめ
・格式(クラス)によってマナーが必要になってくる。
・コース料理は、アンティパスト、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、サラダ、フォルマッジュ、ドルチェの順で提供される。
・マナーとしてナプキンは躊躇せず使い、シルバーセットは外側からもしくは出された順番に使って食べる。
・食べ方としては基本ナイフとフォークを使って食べる。
基本的なマナーを身につけて形式的にならずに、ワインにあう料理を楽しむように一緒に食事をする人との会話などを楽しみましょう。