お世話の手軽さからインドアグリーンとしても人気な多肉植物、サボテン。
砂漠などの過酷な環境が原産のサボテンは、他の観葉植物に比べて丈夫だと思われがちですが、病気になってしまう事もあります。
他の植物たちと同じように、サボテンも病気になったときには変色することが多いです。
ここでは、サボテンが白くなる時・黒くなる時・茶色くなる時の原因と対処方法を、それぞれご紹介します。
サボテンの病気ので白・黒・茶色!
サボテンが病気になってしまう原因は、変色した色である程度つきとめることができ、変色箇所の状態ごとにそれぞれ対処方法が異なります。
サボテンの変色は、病気で枯れる前のサインです。
完全に枯れてしまう前に、変色した部分を観察して原因にあったケアをすることが重要になります。
ここでは、白・黒・茶色に変色してしまったときの原因と対策をご紹介します。それぞれの色ごとにどのような対処をすれば良いのか見ていきましょう。
白
サボテンの表面に棘座の綿毛以外の白いものが不自然に付着しているときは、うどんこ病やカイガラムシによる虫害が考えられます。
うどんこ病の原因はカビ菌です。日照不足や水はけの悪い土に植えていたことによる過湿、風通しの悪い環境などで発症します。
白っぽく色あせてカラカラになっている時は、葉焼けの可能性があります。厳密に言えば病気ではありませんが、やはり見た目は悪くなります。
冬の間室内管理した後や梅雨明け後、急な直射日光に当てたときは特に葉焼けしやすくなるので注意が必要です。
徐々に日光に当てる時間を伸ばしたり、日差しが強い真夏は白い寒冷紗で薄く遮光すると良いでしょう。
黒
根元がどす黒く柔らかくなっているときは、黒くされ病の可能性があります。
原因は病原菌によるもので、気孔や害虫の食害による傷口などから侵入します。
一度感染すると対処方法がなく、放っておくと他のサボテンに伝染することもあるので、処分するしかありません。
不自然な黒い斑点が発生したときは、黒斑病の可能性があります。
高温多湿状態が続いたり、水はけの悪い土に植えているときに発病しやすいです。
棘の根元にすすのようなカビが発生しているときは、すす病の可能性があります。
カイガラムシやアブラムシなどの害虫の排泄物や分泌物を栄養源として繁殖するカビが原因です。
茶色
茶色に変色したときは、変色部分の状態によって原因と対処が異なります。
薄茶色っぽく変色してカラカラ乾燥しているのは、強すぎる日差しに長時間あて続けたことや水分不足が原因です。
葉焼けと同様、厳密に言えば病気ではないですが見た目は悪くなります。
根元の部分が茶色になってぶよぶよと柔らかい場合は、根腐れが原因です。
風通しの悪い場所や日照不足、水はけの悪い土に植えていると根腐れを起こしやすくなります。
日当たりと風通しの良い場所に置き場所を変えたり、水はけのよい土に植え替えるなどの対策を行いましょう。
また、いずれも緑の部分が残っていれば変色部分を切って仕立て直すこともできます。
詳しくはこちらの記事でご紹介しますので、併せて参考にしてください。
写真画像で確認!白・黒・茶色のサボテンの変色
サボテンが病気で変色するといっても、変色箇所は硬く乾燥していたり柔らかかったり斑点が出ていたり…。
病気ごとに状態が異なります。ここでは、具体的にどのような症状が出るのか写真画像で確認していきましょう。
白い場合
白色になった場合はうどんこ病、カイガラムシ、葉焼けが原因の可能性があります。それぞれ見ていきましょう。
うどんこ病
サボテンの表面に、白カビのような粉が付着します。初夏または秋に発生しやすいです。
カイガラムシ
1mm~3mmくらいの米粒のような虫です。殻付き、ロウ状、ワタ状など種類が多く、成長点や棘座の綿毛などによく付着しています。
排せつ物がすす病の原因となるカビ菌の餌になってしまうので、見つけたら早めに駆除しましょう。
葉焼け
白っぽく乾燥してカラカラになっています。人間で言う日焼けや火傷の状態です。
室内管理から急に強い直射日光にあてた株や、班入り種で起こりやすい症状です。
黒い場合
黒い担った場合は黒くされ病、黒斑病、すす病が考えられます。それぞれ見ていきましょう。
黒くされ病(黒腐病)
茎や芯がどす黒く変色し、柔らかくなります。放っておくと他のサボテンや観葉植物にも伝染します。キャベツなどのアブラナ科に多く見られる病気です。
黒班病
サボテンの表面に黒い斑点が発生します。シャコバサボテンやクジャクサボテンなどの葉の平たいサボテンがかかりやすい病気で、進行すると灰色のカビが生え始めます。
すす病
棘の根元に黒いすすのようなカビが発生します。柑橘系の果樹類や、庭木などにも多くみられる病気です。
茶色の場合
茶色になった場合は木質化、根腐れが考えられます。それぞれ見ていきましょう。
木質化
強い直射日光や水分不足が原因で薄茶色に色褪せてカラカラに乾燥しています。
「木質化」という生理現象の一種で、悪化した生育環境から身を守るために木のように硬くなっています。
根腐れ
根元の部分が茶色になってぶよぶよと柔らかくしぼんでいます。水やりのしすぎなどによる多湿、風通しの悪い生育環境が続いた時や日照不足が原因で起こります。
サボテンに斑点や変色が起こる原因
病気になったサボテンに斑点が現れたり変色してしまう理由は、主に3つです。
- カビ
- 葉焼け
- 根腐れ
いずれも発生する前に予防することが可能なので、原因別にしっかり対策していきましょう。
カビ
風通しの悪い環境に長期間置かれたり、日照不足や水はけの悪い土に植えていたことによる過湿が原因です。
カイガラムシなどの害虫の排せつ物が養分となって増殖するので、植え替え時にオルトラン等の殺虫剤を鉢底近くの用土に混ぜて害虫対策を行いましょう。
一度カビが発生した株は、発生していない箇所や用土にも菌糸や胞子が行き渡っている可能性があります。なるべく早く、乾いた新しい土に植え替えることも大切です。
葉焼け
強い太陽光に長時間当てられたことで起こります。室内管理していた株を急に強すぎる直射日光に当てた時にも起こりやすい症状です。
春先や梅雨明け後などに室内から室外管理へ移行するときは、まずは明るい日陰に置いて徐々に日光に当てる時間を伸ばして紫外線に慣らしましょう。
難しい場合は白い寒冷紗やティッシュなどで薄く遮光すると良いでしょう。
根腐れ
風通しの悪い場所や日照不足、水はけの悪い土に植えているときの過湿環境で起こりやすくなります。
風通しの良い日なたに置き場所を変え、育成環境の改善を行いましょう。冬や梅雨の間、温室や窓辺で室内管理する場合は扇風機やサーキュレーターなどで送風します。
鉢底穴が小さかったり、鉢底穴が無い鉢に植えているときも発生しやすい症状です。可能であれば鉢底穴の大きい鉢に植え替えましょう。
サボテンに赤い斑点ができるのは病気?
サボテンの表面に赤い斑点ができることがあります。これは「サビ病」と呼ばれるカビの一種による伝染病が原因です。
一度発生すると、じわじわと株全体に広がってしまうので早めに対処しましょう。
伝染病が原因
サビ病は糸状菌と呼ばれるカビによる伝染病です。
この病気は感染力が強く、赤い斑点の箇所から胞子が飛散することで伝染します。
感染した株を見つけた場合は、他の株にも感染していないか確認することが必要です。
赤い斑点ができやすいサボテン
サビ病による赤い斑点は、バニーカクタスなどの小型のウチワサボテンによく見られます。
ウチワサボテンは比較的頑丈な品種ですが、他のサボテンと同様に多湿環境や風通しの悪い環境には弱いです。風通しと日当たりの良い環境で管理することが感染対策になります。
赤い斑点ができた時の対処法
カビが原因の赤い斑点は、他の病気や虫害のように多湿や風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
サボテンを室内管理する際は、風通しや水やりの頻度に十分気を付けましょう。
丈夫だと思われがちなサボテンですが、間違った管理を続けていると病気になってしまうこともあります。
サボテンが病気になってしまった原因は、変色した色や変色箇所の状態からつきとめることができます。
変色はサボテンのからのSOS。本当に枯れてしまう前に、早めに原因にあった対処をしていきましょう。