法事とは、亡くなられた方の冥福を祈ってお坊さんにお経を上げてもらい、その後、故人を偲んで会食などして供養をする仏教の儀式です。
法要と会食を合わせて、法事とします。
本来は四十九日まで七日ごとに法要がありますが、初七日と忌明けに当たる四十九日、一周忌、三回忌は遺族親族をはじめ、招待を受けた友人や知人も列席します。
その他の法要は基本的に遺族のみで行われます。
葬儀やお通夜に参列する事は度々あるけれど、法事に招待された事ないなぁ。
もし招待された場合、参列者として挨拶する場面はあるのか、使ってはいけない表現はあるのか、その他シチュエーション毎のちょっとした疑問も合わせて調べてみました。
法事に招待されたら、どうしたらいい?服装は?
法事は、葬儀やお通夜と違い、施主から招待を受けて参列します。
法事の案内状が届いたら、速やかに返信しましょう。
施主側は法要後の会食や引き出物の準備がある為、遅くても1週間前には同封されている返信用はがきを送りましょう。
特別な用事がない限り、できるだけ参列します。
やむを得なず、どうしても参列できない場合も早めに、お詫びの一言を添えて返信します。
三回忌までの法事なら、現金書留で香典を送ったり、供花などを送るとよいでしょう。(三回忌までは、白い花を中心にしましょう。)
施主からお招きされていないのに自ら参列したり、こちらから催促するのは失礼に当たるのでやめましょう。
法事に参列する際の服装は、一周忌までは喪服を着ますが、その後は略式礼服(黒や地味な色のスーツ)でもいいようです。
また女性は派手なアクセサリーをつけるのは厳禁です。
何もつけない、又はつける場合は涙を連想させる一連のパールのネックレスにしましょう。
二連の物は、悲しみが二重になる事を連想させるので、やめましょう。
子供が参列する場合は、学校や幼稚園の制服があれば正装になるので制服を、その他の場合は黒や白、グレーなどの色の服を選びましょう。
法事での参列者の挨拶が必要な場面① 来場
受付の係の方や施主に、「本日はお招き頂き恐れ入ります。」や、「本日は、ご法要の席にお招き頂きまして恐縮です。」と挨拶しましょう。
法事に出席する際、「ありがとうございます。」は禁句です。普段よく使う言葉ですので、注意しましょう。
他の表現を覚えるなどして参列するとよいですね。
法事での参列者の挨拶が必要な場面②香典を渡す
来場に続いて、施主の方へ香典を渡しながら挨拶します。
その際、「ご仏前にお供えください。」「心ばかりですが、ご仏前にお供えください。」と一言添えます。
香典の表書きですが、仏教の場合、故人は四十九日までは霊として存在するので香典には「御霊前」と書きます。
四十九日以降は、霊から仏に成仏するという考えから、「御仏前」と記入しましょう。
香典は施主の方に渡すのが一般的ですが、受付が設けられている場合はそちらでお渡しします。
法事での参列者の挨拶が必要な場面③遺族と対面した時
葬儀から四十九日までは
「この度は本当に突然のことで言葉もありません。」
「この度はご愁傷様でございました。」
「心中お察し致します。」
一周忌以降は「◯◯さんには大変お世話になりました。」
「月日が経つのは早いですね。」
など、故人とのエピソードを短めに話すと施主や遺族の方も、故人の知らない一面を垣間見ることができ、懐かしく思い出せるでしょう。
私も父の法事の際、参列して下さった父の職場の同僚の方から、家では見せない仕事に真面目な父の話しを聞くことが機会があり、父の新たな一面に触れた様で嬉しかった事を覚えています。
法事での参列者の挨拶が必要な場面④退場時
法事が終了し、施主の方が引き出物を準備し始めると、会が終わる合図です。
帰る際は故人に手を合わせ、施主の方や親族に挨拶してから退場します。
「本日はお世話になりました。失礼します。」
など、あまり長々と話さず、サッと退場しましょう。
まとめ
① 来場時。「本日はお招き頂き恐縮です。」
② 香典を渡す際。「心ばかりですが、御仏前にお供え下さい。」
③ 遺族と対面した際。四十九日までは「この度はご愁傷様です。」四十九日以降は「月日が経つのは早いですね。」など。
④ 退場時。「本日はお世話になりました。失礼します。」
四十九日、一周忌、三回忌など法事での参列者の挨拶の基本は変わりませんが、一周忌以降の法要で「この度はご愁傷様でした。」など言葉をかけるのはNGですが、あまり堅苦しく構える必要はありません。
法事で大切な事は、故人を思い出し心を馳せ、いま自分が生かされている事に感謝するという事が1番の供養になるのではないのでしょうか。