サボテンの根元に小さいサボテンが生えてきていることがあります。
それはサボテンの子株。サボテンが順調に大きく育って子株を出す余裕ができてきたということです。
子株がつくタイプのサボテンはそのまま育てても群生株として楽しむことができますが、株分けして手軽に増やすこともできますよ。
また、根がついた子株を株分けすれば初心者でも簡単に株分けを成功させることができます。
この記事ではサボテンの株分け方法について、株分けに適した時期や必要な道具、切り方のコツなどと併せてご紹介します。
サボテンの株分け方法
根元に子株ができるタイプのサボテンは、株分けで増やすことができます。
株分けを成功させるにはその他にもいくつかのコツを押さえる必要があります。手順を追いながら紹介していきましょう。
株分け予定のサボテンは、株分け1週間ほど前から水やりを控えて乾燥させます。
子株が根元に出来る品種の株分けは、親株と子株を切り分ける前にある程度土を根から落とす必要があります。
用土が湿った状態で株分け作業を始めてしまうと、土が根から落としにくくなり根に余計なダメージを与えてしまうので注意しましょう。
用土が鉢底までしっかり乾いたら、親株を鉢から抜いて用土を落とします。このとき、茶色くポロポロと崩れるような古い根は整理してしまいましょう。また、太くて白い根は元気な根なのでなるべく傷つけないよう注意します。
また、あまりに小さく根のない子株を切り離してしまうと親株に余計なダメージを与えたり根出しの過程で枯れてしまうことがあります。注意しましょう。
根のない子株もそのまま乾いた用土に植えることができますが、水やり開始は発根後になります。
発根前から根元が土に埋まっていると、発根したかどうか分かり辛く水やり開始のタイミングも見極め辛くなります。できれば発根が確認できてから用土に植えたほうが上手くいきます。
以上でサボテンの株分けは完了です!
その後は通常通り日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。
節や幹の途中から子株を出すタイプのサボテンの増やし方は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。併せて参考にしてください。
株分けをする時に必要な道具
株分けをする時に最低限必要な道具は以下の通り。
- 子株を植える鉢
- 用土
- カッターナイフなどのよく切れる刃物
- 新聞紙
- 指先に防護用ゴムのついた手袋
- ピンセット
子株を植える鉢は、親株を植えている鉢より小さく浅めのものを選びましょう。子株は親株に比べて根が短いので、水を吸い上げる力が弱いです。
砂漠などのほとんど雨の降らない土地が原産のサボテンは、水はけの良い用土を好みます。とはいえサボテンも植物なので、水と栄養がないと成長することができません。
親株から子株を切り離す際に使用する刃物は、良く切れるものを使うようにしましょう。
よく切れる刃物を使用することで何度も同じところを切らなくて良くなり、傷口を最小範囲に押さえることができますよ。
また、感染症を予防するため熱かアルコールで消毒した刃物を使用するようにしましょう。
作業の際はトゲで指先などを怪我しないよう指先に防護用ゴムのついた手袋やピンセットを使用すると安全です。食品用トングや厚手のゴム手袋でも代用可能ですよ。
サボテンの上手な切り方
親株から子株を切り離す際は、ちょっとしたポイントを押さえればその後の生育が順調になる確率がぐんと上がります。
上手に切るポイントは2つ。
子株を親株から切り離すときは、アルコールか熱で消毒した良く切れる刃物を使うようにしましょう。
刃を消毒するのは感染症予防のためです。また、よく切れる刃物を使用することで傷口を最小範囲に押さえることができますよ。
根のない子株は、株分けした時期や管理環境が悪いと根を出せずにそのまま枯れてしまうこともあります。
初心者の方や子株の根出しに自信がない方は、根がついた子株のみを切り離すようにしても良いでしょう。
株分けの最適な時期
サボテンの株分けに最適な時期は、生育期にあたる春と秋です。
根元に子株ができる品種のサボテンを株分けする際は、サボテンを一度鉢から出して根から土を落とす必要があります。また、根元から子株を切り分ける際に土に触れる根元や根に傷ができます。
サボテンが元気に育つには根から栄養と水を吸収する必要があり、そのためには株分けの際に受けたダメージから回復する必要があるわけですね。
その回復に適しているのが生育期なのです。
そして、生育期は子株にとっても根を出しやすい時期です。
親株から切り分ける際に根が取れてしまった子株や根のない子株も、生育期に作業すれば根を出す確率がぐんと高くなります。
根を出しやすい生育期に株分け作業を終え、肥料や水やりを控える必要のある真冬や真夏にしっかり備えられると良いですね。
株分けの目的
株分けの目的は、大きく分けて2つ。
前提として、根元の子株が原因で親株が枯れることは稀です。子株ができたからといって必ず株分けをしなくてはいけない訳ではありません。
ただ、子株が親株と同じ鉢で土と水を共有している関係で、親株の栄養が取られている事は事実です。
品種によっては、子株があることで親株の成長が大幅に遅れたり花が咲きにくくなったりするものもあります。
また、根元に子株ができるタイプのサボテンは子株のないサボテンに比べて鉢の中が根詰まりしやすくなります。
子株のあるサボテンを植え替える際に鉢が根でいっぱいになっていたら、株分けを行っても良いでしょう。
貴重な品種のサボテンに子株がついていたら、株分けしてバックアップをとっておくチャンスです。
サボテンは品種によって手に入りにくかったり、とても高価なものがあります。株分けでバックアップを取っておけば、いざという時も安心ですね。
そもそも株分けとは?
そもそも株分けとは、成長した親株から根や茎などを切り離して植物を増やす方法です。クリスマスローズなどの宿根草やポトスなどの観葉植物は、株分けできる植物として有名ですね。
成長して群生した状態の株は原生地に近い形で植物が楽しめるというメリットがありますが、根詰まりを起こしやすかったり風通しが悪くなって親株が成長しづらいというデメリットもあります。
そんな時は株分けすると、風通しが良くなり水や栄養も株ごとに与えることができるため、親株子株ともに生育がよくなります。
また、お気に入りのサボテンを株分けすれば寄せ植えに使ったり人にあげたりする事もできますよ。
機会があれば、自分で増やしたサボテンを人のサボテンと交換してみるのもサボテン繁殖の楽しみの1つです。
根元に子株ができるタイプのサボテンは、株分けで増やすことができます。
株分けは初心者でもチャレンジしやすいサボテンの増やし方。
株分け予定のサボテンは、株分け1週間ほど前から水やりを控えて乾燥させましょう。
しっかり乾燥させることで、根から土を落としやすくして親株のダメージを最低限に抑えることができますよ。
親株の用土が鉢底までしっかり乾いたら、鉢から抜いて用土を落としましょう。
次に、親株の根元についている子株を消毒した刃物で切り離します。このとき、発根促進剤があれば傷口が乾く前にうすくまぶすのもおすすめです。
親株と切り離した子株は供に1週間〜半月ほど明るい日陰で乾燥させましょう。
親株と根のある子株は傷口がしっかり乾いてからそれぞれ別の鉢に植えつけ、数日〜1週間後に水やりを開始します。
根のない子株の水やりは発根後になるので、できれば発根が確認できてから用土に植えたほうが上手くいくでしょう。
その後は通常通り日当たりと風通しの良い場所で管理します。
また、作業の際はトゲで手指を怪我しないよう注意しましょう。指先に防護用ゴムが貼られている手袋やピンセットなどを使用すると安全です。
株分けには、親株の成長促進と根詰まり防止、そしてなによりお気に入りのサボテンを増やせるというメリットがあります。
株分けはサボテン繁殖方法の中でも成功しやすい方法です。この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。