近年高齢化が進み、高齢者との同居をする家庭が増えてきているようです。
私は子供の頃、母の両親と4人で住んでいたので、祖父と祖母の世話をしながら生活していた覚えがあります。
祖母が亡くなった後、祖父が痴呆になり、母が一人で仕事もして、夜は介護をするといった大変な日々を送っていたのを覚えています。
そんな母を見ていたせいか、高齢になった旦那の両親との同居にどうしても一歩踏み出せずにいるのですが、高齢者との同居について色々調べてみると意外とメリットがあったり負担を軽減できるコツがあったので紹介していきます。
障害者手帳の交付申請と要介護認定を検討する
介護をするにあたってこの要介護認定を受けているかどうか、障害者認定を受けているかどうかで、介護者の負担が大きく変わってくるそうです。
昔は自活が出来る間は痴呆があろうがなかろうが同居や近所に住みながら介護や介助をしていたのですが、実は障害者認定と要介護認定は重複可能なので、要介護認定をする時に障害者手帳の交付申請もしておくことをおすすめします。
両方の認定を受けていれば、介護保険サービスだけで無く障害者手当や所得税控除などの利用も出来るので経済的にも負担は軽くなるでしょう。
ケアマネージャーに相談する
介護している人が体調を崩してしまうと、介護されている側だけでなく生活を共にしている家族にも負担や影響が及びかねません。
そこで、各地域や役所に介護に関する相談にのっていただけるケアマネージャーがいらっしゃるので、ショートステイやデイサービスなどを中心としたケアプランの相談をしてみてください。
出来れば、要介護度の低いうちから定期的に利用する事をおすすめします。
なぜなら、全く利用したことがない方に比べて、定期的に利用している方の方が緊急時を含め受け入れてくれやすいからです。
こういったサービスを利用することで、介護者への負担も軽くなり、定期的に介護者へのリフレッシュ休暇として利用すれば、ストレスを抱えすぎることもなくなるのではないでしょうか。
高齢者の親と世帯分離する
同居するにあたり、住民票の登録を高齢者の両親とは別に同じ住所でも別の世帯として登録することが出来るのですが、これを「世帯分離」と言います。
世帯が別であればそれぞれの家計も別として考えるので、介護保険料や健康保険料などが軽減できます。
このメリットは全ての方が軽減できるわけではないので、役所の方と相談するかネットなどで納得いくまで調べてみて、家計を別にしていてメリットがあるかどうか検討した上で世帯分離をするかしないかを決めると良いでしょう。
高齢者の親を扶養家族にする
世帯分離をする事によって健康保険料の軽減が可能にはなるけれど、子供である自分達が雇用されて働いているのであれば、親を扶養家族に入れる事も検討しましょう。
そうすることによって、親の保険料が無料になる場合もあり、もし両親が70歳以上であれば最低でも年間7万円以上の節税が出来るようになるからです。
扶養家族に入れる事が出来るのは、親を養っているのであれば世帯分離だけではなく別居している場合でも扶養に入れる事が出来るので、社会保険に入っているのであれば、一度両親と相談してみましょう。
扶養には、社会保険における扶養と所得税、住民税における扶養と2種類あるそうで、扶養できる条件が異なるようなので、社会保険のHPや各役所のHPや窓口などでよく調べておくと良いでしょう。
高齢者の親と同居する前に必ず親の意思を確認する
私の子供の頃の場合は、祖父がどうしても一人で暮らしたいと聞かなかったのでアパートを二部屋借りていつでも様子を見に行ける様に工夫して住んでましたが、それでも転んだりして何度か救急車を呼んだことがありました。
祖父は同居をすることに断固反対されたので最終的には施設に入居させることにしました。
私の祖父のように高齢者の方の中でも家族と同居することを拒む方もいらっしゃいます。
こちらが「一人ではさみしいだろう」などという理由で本人の意思を無視して同居に踏み切ると、逆にストレスを抱えてしまって、うつ病になったり痴呆が悪化したりしてしまう場合があるようです。
介護のためとはいっても本人の意思を無視するような事のないように、しっかりと意思を確認して、家族で相談した上で同居をするかどうか決めましょう。
同居をする際にお互いのプライベートを尊重するのであれば、リフォームをすることも検討しましょう。
バリアフリーにしたり、扉の数を増やしたり、共同の空間と個別の空間を分けて作ったりするのも、お互いのプライバシーを守りながら、ストレスをお互いに感じない空間を持つことも大切なポイントです。
まとめ
高齢者との同居をする際にストレスを最小限にして、経済的負担を極力抑えるコツとして
・要介護認定を受ける(受けている)場合は、障害者手帳の交付申請もすると、経済的負担が減る。
・介護者の心身的な負担を減らすために、ケアマネージャーにデイケアやショートステイなどのケアプランの相談をする。
・税金などの負担を軽減するために世帯分離をする。
・高齢者の保険料の負担を軽減するために扶養家族に入れる。
・同居を決定する前に必ず要介護者の意思を確認する。
この5つのコツを上手く利用してストレスや家計の負担が少しでも軽減すれば、介護をする側もされる側も良い関係を築けるのではないでしょうか。
良い関係が築ければ楽しく毎日を過ごすことも出来ますし、共倒れなんて事もなく生活出来ることでしょう。